四柱推命はドギツイ表現が多い
占いの世界は封建的な時代の名残があったりします。中国系の占術に、この傾向が顕著です。中でも「四柱推命」。
四柱推命もそうですが、中国系の占術では「吉凶」を明確にします。
「良いか悪いか」という二元論で判断します。「イエスかノー」というように判断するわけですね。
しかしこういった判断の仕方は実際問題として、あまりに短絡的過ぎで問題が多くでてきます。
そしてこの短絡性が、占いを「悪い道具」としています。
なにしろ「良いか悪いか」という善悪二元論のような判断を下すわけですので、たまったものじゃありません。
四柱推命占いの神殺で落ち込む人は多い
四柱推命。中でも三命通会や淵海子平といった古いタイプの四柱推命で鑑定を受けたり、本を読むと、落ち込む人が多かったりします。
たとえば
・寡宿といい星があると、女性は後家になる
・白虎という星があると、「事故死する
・羊刃という星があると、残忍な性格になる
・劫殺という星があると、ケガが多くなる
・囚獄という星があると、逮捕監禁される
といったものです。
こうした調子です。
これらは神殺(しんさつ)といわれる特殊星になります。実のところ、ほとんど根拠らしい根拠はありません。
当たりません。
ですのでこんな占いで占われて、神殺のまんまアドバイスを出されたら、相談者はショックを受けることが少なくありません。
古いタイプの四柱推命には脅し的な文言もあります。結構、酷かったりします。
四柱推命でショックを受ける人は多い
四柱推命占いによってショックを受けて、心に傷を負ってしまうースは昔からあります。
昭和の初期には、四柱推命が原因で前途を悲観し、自殺している女性も出ているくらいです。
傷官という星が月支元命にあることから「自分は結婚できない」と悲観。
そうして自殺してしまったというケースです。こうした事例が数例あったそうです。
中国系の占いには封建的な善悪二元論がある
中国系の占いは封建的な思想が根底にあります。
また「良い悪い」の吉凶を二元論的にハッキリさせすぎていて、物事を「良い」「悪い」という短絡的な認識に陥っています。
四柱推命もそうです。中国系の占いは、その表現が「良い悪い」が極端過ぎてキツく、差別的で、もはや凶器となっています。
ですので中国系の占術を使う際、現代風に改める必要があります。これは絶対に必要です。言っては悪いのですが、欠陥の多いところがたくさんあります。
占いの根源にさかのぼって「どういう仕組みで作られ」「どうしてこういう酷い封建的なかたちになったのか」を考察して改良を加える必要があります。
中国占いは成功・立身出世が正しいとする
そもそも中国は王を頂点としています。
王様や官僚であることが【徳が高い】とみなしています。社会的に頂点に立つこと、立身出世することが幸運であり正しいとしている。
で、こうなることが「徳がある」としています。つまり、現世で成功し繁栄することが「正しい」「徳がある」とする考え方です。
中国系の思想では表面的な成功にフォーカスしています。道徳もそうです。
内面性もさることながら、外面的に良いのか悪いのか。そういう思想で中国系の善悪論は形成されています。
しかしこれはあまりにも一面的な見方なんですね。「正しい」「徳」「善」というのは、見た目の状態もさることながら、その心、本心、動機、心の源泉の有り様が大切です。
内面性よりも外面性を重視している
けれども中国は、そういう心の内面性よりも、外側のこと(成功は繁栄、外観)を重視するところがあります。浅薄であり短絡的なんですね。
だから有徳者は、社会的頂点に立つ王様になると考えるわけです。結果的に間を差別化し、階級化していきます。王様を頂点とした人間ヒエラルキーです。
実際、この「人間ヒエラルキー」が端的に出ているのが紫微斗数(しびとすう)です。紫微星が最高であり頂点とする考えで構成されています。紫微斗数は差別化占いの極みなくらいです。
が、中国ではこうした差別的・階級的な思想に違和感をおぼえません。極めて薄っぺらい封建思想なんですね。
このように言うと、反発する方もいると思いますが、少なくとも中国系の占術の世界における徳の考えは、端的にいえばこういうものです。
「陰は悪い・陽が正しい」と表面的に解釈
陰陽もそうです。
「陽がよく、陰はよくない」と安易に決めつけるところもあります。
これはポジティブシンキングの世界にも似ています。積極性が良く、控えめは悪いといったとらえ方です。
が、こういったものも誤った考えです。
人間は、確かに大体のところで陽と陰の気質に分類できます。
しかし陽な気質がよく、陰な気質が悪いということはありません。どちらも一長一短です。
もっとも生命の根源における「陰陽」でいえば、陰はよろしくなく、陽が望ましくなります。
ただしこの場合の意味は、
・陽気・・・生命本来の有り様
・陰気・・・魔性、生命本来の有り様が出ていない状態
ということになります。
「望ましい陰性」「健全な陰性」もあるということですね。それは「控えめ」「奥ゆかしい」などの「陰性の徳」のことです。
ネガティブ、批判的、重たい、暗いといった「陰性」とは、性質が違います。このあたりの区別はしっかりとつける必要はあります。
中国系占いの善悪は薄っぺらい
しかしポジティブシンキングの世界でも見られる「控えめは悪い」といったとらえ方が、中国系の占いの世界にも出てきます。
では何故陽がよく、陰が悪いとするのか?
これは現代を見てもその理由がわかります。
時代が資本主義化していますので、物事を獲得する、積極的、豪快、奪う、戦うことを「よし」とせざるをえません。
いえ資本主義化していなくても、現世で成功し生きていくという視点に立てば、こういう戦闘的な性格のほうが成功という安定を勝ち得やすいところはあります。
ですので「陽」の積極的または戦闘的な気質が歓迎されるのですね。
実はそういうことだったりします。
このことは、封建的な時代も同じですし、今よりももっと顕著だったでしょう。
で、中国系占いの善悪は、薄っぺらいんですね。
封建・差別・稚拙な表現は改める
陰陽の良し悪しの判断のほかにも、中国系の占術には、えげつないような酷い判断が多くあります。
最初に書いた通りで、
・極端な善悪二元論
・良い悪いを極端にした言うドギツイ表現
・封建的
・短絡的な決めつけ
・差別的な表現
・ネガティブで破壊的でショッキングな言い回し
・成功、繁栄、出世といった外見の成功を絶賛する浅薄な思想
といったように、思想的に愚かで未熟で浅薄なものが根底にあります。
とてもではありませんが酷い代物だったりします。有害過ぎます。
しかし役に立つ面もあります。ですので占いが有する害悪や問題のあるところは、本当に改善していかないとなりません。
インド系占いはカルマがある
一方、占術にはインド系もあります。
インドは善悪二元論で判断はしません。良いことと悪いことがごちゃまぜになっています。
しかしインド特有の「カルマ」という概念が入り込んでいて、これが脅迫的な刃をむき出すときがあります。
占術の世界には、誤った考え方や価値・判断がありますので、これらを改善し排除していく必要があったりします。
2017.12.3